議員の海外視察

ニュージーランド海外視察・上告不受理決定

平成26年3月25日から同年3月31日にかけて、宮城県議会所属の議員によりニュージーランドへの海外視察が実施され、視察費用として合計360万円の公金が支出された件に関する住民訴訟について、 平成30年4月13日付けで、最高裁判所にて上告不受理決定がなされました。

上告が受理されなかったことは残念ですが、一部違法の判断が確定したことには、今後の海外視察の実施のあり方等を含め、大きな意義があると思います。

取り急ぎ、ご報告させていただきます。

【決定文】

【ブログ記事リンク】
● 一部返還を認める判決(2017/2/1)
● 訴訟提起しました(2014/11/10)

(宮腰英洋)

ニュージーランド海外視察・上告受理申立理由書提出しました

平成26年3月25日から同年3月31日にかけて、宮城県議会所属の議員によりニュージーランドへの海外視察が実施され、視察費用として合計360万円の公金が支出された件に関する住民訴訟について、本日、上告受理申立理由書を提出しました。

要旨としては、原判決(仙台高等裁判所平成29年10月26日判決)が、
  1. 県議会の裁量を広く認めすぎていること
  2. 視察結果の県政への反映という視点を軽視していること
  3. 「海外視察に関する手引」を踏まえた判断を行っていないこと
  4. 違法箇所についての損害額(不当利得返還義務)を誤っていること
などについて主張をしました。

詳細は以下に上告受理申立理由書を添付しておりますのでご参照下さい。

本件のみならず、地方議会で実施される(海外)視察について広く参照可能な判断がなされることを期待します。

進捗がありましたら、おって報告させていただきます。

(宮腰)


ニュージーランド海外視察・本日上告受理申立てを行いました

平成26年3月25日から同年3月31日にかけて、宮城県議会所属の議員によりニュージーランドへの海外視察が実施され、視察費用として合計360万円の公金が支出された件に関する住民訴訟について、本日、当オンブズマンは、最高裁判所に上告受理の申立てを行いました。

以前の記事でもご報告したとおり、仙台高等裁判所の判断は、非常に重いものである一方、最高裁判所の判断を仰ぐべき必要があると考えられるものでした。

最高裁判所の審理を通じて、海外視察に関する宮城県議会の裁量(判断の幅)のあり方について、改めて考えていきたいと思います。

引き続き、報告をさせていただきます。

【上告受理申立てに際してのコメント】

(宮腰)

ニュージーランド海外視察・一部返還を認める判決が維持

平成26年3月25日から同年3月31日にかけて、宮城県議会所属の議員によりニュージーランドへの海外視察が実施され、視察費用として合計360万円の公金が支出された件に関する住民訴訟について、本日、仙台高等裁判所で判決がなされました。

【図-判決の比較表】
Nz判決比較表.jpg


仙台高等裁判所の判決は、4日目の一部(イーデンパーク)及び5日目(ワインヤード)の視察が違法であるとし、派遣議員らは各4万3973円(4名の合計17万5892円)を宮城県に返還すべきと判断しました。

宮城県議会の海外視察が、地裁、高裁ともに一部違法と判断されたことは初めてであり、非常に重い判断であると考えられます。

もっとも、今回の判決も、仙台地方裁判所の判決と同様、県議会議員の海外派遣を安易に認めるかのような内容でした(詳しくは、添付コメントもご参照下さい。)。

今回の判決を多くの方々に知っていただきたいと思い、ご報告させていただきます。

【判決を受けてのコメント】

【判決文】
(宮腰)

ニュージーランド海外視察・仙台高裁での審理終結し判決へ

平成26年3月25日から同年3月31日にかけて、宮城県議会所属の議員によりニュージーランドへの海外視察が実施され、視察費用として合計360万円の公金が支出された件に関する住民訴訟について、仙台高等裁判所での審理が終結しました。

仙台地方裁判所の判決は、議員に支出された公金のうち、7万3487円(合計29万3948円)が違法であるとし、これを返還請求すべきとしました。


仙台高等裁判所の判決は、平成29年10月26日(木)午後1時15分(402号法廷)からとなりました。

仙台高等裁判所が今回の海外視察にどのような判断を下すのか、注目されるところです。

(宮腰)

ニュージーランド海外視察・控訴理由書提出しました

平成26年3月25日から同年3月31日にかけて、宮城県議会所属の議員によりニュージーランドへの海外視察が実施され、視察費用として合計360万円の公金が支出された件に関する住民訴訟について、本日、仙台高等裁判所に控訴理由書を提出しました。

要旨としては、原判決(仙台地方裁判所平成29年2月1日判決)が、
  1. 県議会の裁量を広く認めすぎていること
  2. 事前準備・検討の不十分さを見過ごしていること
  3. 個々の視察先について安易に適法と判断していること
  4. 違法と認定した箇所についての損害額認定を誤っていること
などについて主張をしました。
詳細は以下に控訴理由書を添付しておりますのでご参照下さい。

本裁判については宮城県も控訴をしており、高等裁判所での審理も引き続き重要なものとなってきます。
第1回裁判期日が決まりましたら、おって報告させていただきます。

【控訴理由書】

【4月10日追記】
仙台高等裁判所の第1回期日が以下の通りに決まりました。
興味がある方は、是非、傍聴にお越し下さい。

 平成29年6月6日(火)
 裁判所402号法廷(予定)

(宮腰英洋)

ニュージーランド海外視察・本日控訴を申し立てました

平成26年3月25日から同年3月31日にかけて、宮城県議会所属の議員によりニュージーランドへの海外視察が実施され、視察費用として合計360万円の公金が支出された件に関する住民訴訟について、本日、仙台高等裁判所に控訴を申し立てました。

以前記事で報告したとおり、仙台地方裁判所の判決では一部返還が認められましたが、

  1.  議会の裁量権を余りに広く認めている点で市民感覚から乖離していると考えられること
  2.  全旅程の40%が違法であると認定しながら、全旅費(航空運賃等を含む)の40%ではなく、4日目及び5日目の宿泊費及び交通費等のみを違法と判断したこと

などにおいて、上級審の判断を仰ぐ必要があると判断しました。

本裁判については、今後も継続的に報告させていただく予定です。

(宮腰)

ニュージーランド海外視察・一部返還を認める判決

 平成26年3月25日から同年3月31日にかけて、宮城県議会所属の議員によりニュージーランドへの海外視察が実施され、視察費用として合計360万円の公金が支出された件に関する住民訴訟について、本日、判決がなされ、各議員に支出された公金のうち、7万3487円(合計29万3948円)が違法であるとし、これを返還請求すべきとしました。

 判決内容については疑問を感じる点もありますが(詳細は下記コメントをご覧ください。)、裁判所が全旅程のうち40%を違法と判断したことの重みは大きいものと思われます。

 多くのみなさまに判決内容を知っていただきたいと思い、取り急ぎ、ご報告させていただきます。

【判決を受けてのコメント】

 本日、宮城県議会議員・ニュージーランド海外視察に関する住民訴訟の判決がなされた。
 本訴訟は、平成26年3月25日から同年3月31日にかけて実施された上記視察に対し、視察費用として一人当たり90万円(合計360万円)の公金が支出されたことの是非を問うものであった。
 これに対し、本判決は各7万3487円(合計29万3948円)が違法であるとし、これを返還請求すべきとした。
 本判決は議会の裁量権を余りに広く認めている点で妥当でない。遊行を主目的とした観光旅行を実施したような場合にしか裁量違反を問わないかのごとき基準を述べており不当である。県政に資するかどうかではなく遊行かどうかを基準としており、市民感覚から乖離したものと言わざるを得ない。
 各視察先についても、宮城県政との関連性が薄くとも、議員がもっともらしい弁解をすればそれを容れて免責しており、不当である。
 このような極めて不十分な基準及び判断においてすら、旅程の4日目及び5日目が視察先と視察目的との関連性が認められず、遊行と認定されている。球場でのラグビー観戦が主目的であったり、ワイナリーでワインを飲んだに過ぎないと厳しく指摘されている。
 損害論について、本判決は、全旅程の40%が違法であると認定しながら、4日目及び5日目の宿泊費及び交通費等のみを違法と判断した。しかし、全旅程の40%が違法であるならば、全旅費(航空運賃等を含む)の40%を違法と判断すべきである。
 本件海外視察の宮城県政に対する意義は認められず、宮城県議会は震災復興調査などの名目でこのような視察を安易に実施したことについて猛省すべきであり、遊行を可能とするような海外視察制度は直ちに廃止すべきである。
 オンブズマンとしては、控訴を検討する。

【判決文】

 ※ 裁判所が認定した事実の箇所です。
 ※ 裁判所が具体的判断を示した箇所です。
(宮腰英洋)

ニュージーランド海外視察・仙台地裁での審理終結し判決へ

平成26年3月25日から同年3月31日にかけて、宮城県議会所属の議員によりニュージーランドへの海外視察が実施され、視察費用として合計360万円の公金が支出された件に関する住民訴訟について、本日、審理が終結となりました。

次回に判決となり、判決期日は「平成29年2月1日(水)13時10分~」と予定されました。
ご興味がある方は、是非、傍聴にお越しいただければと思います。

これまでの審理を通じて、派遣議員らの証言等から、派遣の実態がより一層明らかになりました。(詳細は以下のこちらが提出した準備書面をご覧いただければと思います。)

私たちは、派遣議員らの表面的主張を鵜呑みにせず、具体的な視察実態に基づいた厳正な判断がなされることを強く望んでいます。


(宮腰 英洋)

宮城県議会ベトナム海外視察の件(監査請求~提訴)について

 

畠山です。

宮城県議会のベトナム海外視察の件について報告していませんでしたのでまとめて報告します。

宮城県議会は,震災後行っていなかった海外視察を,昨年度復活させました。

そして,自由民主党県民会議の議員7名が議会から派遣され,平成26年5月5日~5月9日,ベトナム海外視察が実施されました。また,後述しますが上記視察に政務活動費を使って自由民主党県民会議の菊地恵一議員が同行していました。

 

平成26年11月28日,宮城県議会のベトナム海外視察について監査請求

(内容)

①派遣議員らなどに支出した海外視察費用(3,448,664円)の返還などを求める

②議会から派遣されていないにもかかわらず視察に同行した菊地恵一議員が政務活動費から支出した費用の返還などを求める

海外視察(ベトナム)監査請.pdf

 

平成27年1月26日監査結果通知があり,請求棄却されました。

請求書+通知書案(最終版).pdf 

平成27年2月24日訴訟提起(事件番号:仙台地方裁判所平成27年(行ウ)第6号(第2民事部))。

【第1回期日】 5月13日午後2時~

ベトナム・訴状.pdf

【提訴の内容について】

当初,議会派遣による海外視察による支出そのものを争う予定でした。

しかし,先のニュージーランド海外視察と比較するとベトナム海外視察は案外まともに視察をしていました。(というよりも,ニュージーランドの内容がひどすぎる,といったほうがいいかもしれません。)

一方,ベトナム海外視察については,監査請求の結果,議会が派遣した議員以外の議員が,政務活動費を使って,全く同じ行程で参加していた,という事実が浮かび上がりました。

議会が,政務活動費と別途,議会独自の予算を使って議員を派遣している中,全く同じ目的,全く同じ行程で政務活動費を使って参加する(「同行視察」)のは,無駄以外の何者でもありません。

そこで,仙台市民オンブズマンでは,ベトナム海外視察については本訴訟では,「同行視察」の是非を問う,ために提訴をした次第です。

畠山裕太