<知っていますか?議員の海外視察の実態!>
仙台市議会議員は4年間の任期のうちで,1人100万円までの旅費を使って,海外に「視察旅行」に行くことができます。しかし,その旅行の実体はおよそ公金を投入して行うべきものではありません。オンブズマンは,情報公開によって「海外出張報告書」を入手してその中身を分析して,観光的要素の多さや費用対効果を無視した高額な支払いに疑問を持ちました。
オンブズマンは,分析結果に基づき,平成19年3月8日,住民監査請求をしましたが,監査委員は「違法ではない」としてこれを棄却しました。4名監査委員のうち3名まで議員出身ですから,その結果は予想していましたが・・・・。
そこで,オンブズマンは,平成19年6月6日,①イスタンブール・カイロ・アテネの海外視察(佐々木両道氏ほか4名参加)と,②ジェノバ・ローマの海外視察(池田友信氏ほか3名の参加)に絞って,住民訴訟を仙台地裁に提起しました。これらの視察日程は下記の行程表の「事実証明書9,10」のとおりです。
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市民の皆様は,このような日程をご覧になってどう感じられるでしょうか。真に必要な視察ならやむを得ませんが,1人約100万円を使う価値があるでしょうか。また,仙台市政といったい何の関係があるのでしょうか。また,何らかの役に立ったのでしょうか。仙台市や旅行に行った議員は「議会には大きな裁量がある」「目的どおり視察をしてきた」などと弁解していますが,証人尋問をしてみると,驚くべき実態が明らかになりました。
詳しくは,次の最終準備書面をご覧下さい。
たとえば,イタリアサッカー協会訪問の目的は,①仙台カップユースサッカーへのジュニアチームの出場依頼と,②イタリアプロ4選手の足型取りの依頼だと市議は弁解しました。しかし,視察市議らにこれらを本気で実現する意思や気概が全くなかったこと,そのために目的を実現するような視察内容でなかったこと,事前の準備もしていないことが判明したのです。
①ジュニアチームの出場のためには,どうして参加してくれなくなったかという原因を調べて,相手が参加しやすくなるような条件や戦略を考えて依頼に赴くことが必要です。しかし,市議は原因すら把握しておらず,何の戦略も持たずに訪問したことを自白しました。結局,現在もジュニアチームの出場は実現していません。市議は,それを仙台市当局の責任だと責任転嫁しましたが,視察者4名はその後市当局に何ら有力な働きかけや協力もしていないのです。
②イタリアプロ4選手の足型取りについては,見当違いの訪問依頼であることが明らかです。そもそも4選手は各クラブチームに所属しており,イタリアサッカー協会がクラブチームの意思とは別に足型を取り付ける権限があるのか,大いに疑問です。そんなことは依頼に行く前からわかっていることで,この点を事前に確認しておくべきです。ところが,この点の確認すらしていないと市議は自白しました。また,足型取りを実現するためには,少なくとも各選手が所属するクラブチームに直接依頼することが必要ですが,それすら未だにやっていないのです。さらに,これも同様に仙台市当局の仕事だと市議は責任転嫁しましたが,自らは,足型取りが実現しない原因を確認すらしていないのです。
結局,イタリアサッカー協会に行ってお願いをするだけでは上記の①②は実現が難しく,そんなことは参加市議らも初めからわかっていたのです。だから,何の事前調査もせず,何の準備もせず,何の戦略もなく,通り一遍の依頼をしただけで,依頼後はその結果に関心もなく,仙台市当局への追及もしなかったのです。これではイタリア訪問の口実にサッカー協会訪問を使っただけと評価されても仕方がないでしょう。
こんな海外視察なら,即刻やめるべきですね。
この裁判の判決言渡は 12月18日(木)午後1時10分 仙台地裁第2民事部
です。ぜひご注目下さい。