自由帖

冬の新彊シルクロードの旅(5)

タクラマカン砂漠

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タクラマカン砂漠は今回のツアーの一つの目玉であり、私もその横断に期待していた。私は、既にゴビ砂漠にも行っているし、サハラ砂漠にも触れているし、世界第二のタクラマカンは是非行ってみたいところであった。砂漠は天山山脈とコンロン山脈に挟まれたタリム盆地の中にある。日本がすっぽり入るぐらいの大きさ。降水量は年に何ミリといった超乾燥地帯。新しく造られた西域南道のホータンから西域北道のアラールまでホータン川に添って通じる第二砂漠公路を行った。全長430キロ。舗装も新しく多の一般道にはない快適さである。道路の両側には砂よけのために巾10m位に渡り葦が格子状に埋め込まれている。

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 途中、第一回目のトイレタイムでは砂丘に登って日の出を見、第二回目では、砂丘が地平線にまで延々と続く見晴らしのいい場所で降りて風紋の美しい砂砂漠を歩ったが、いずれも その荘厳さ、悠久さに心を揺さぶられた。幸いにして当日は無風状態であり、砂丘に座り息を止めるとそこは静寂に包まれていた。しかし、これが砂嵐の季節になるとどうしようもない凶暴さを発揮するということであった。

延々たる砂砂漠が尽きる頃になると、所々に古木が目に付くようになってくる。胡楊の木である。桜蘭など砂に埋もれた故城などにも使われている木である。写真にも撮ったが、砂漠の木とは思えないほど堂々として威厳のある木だった。

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バスに揺られながらこんな不毛の砂漠に何でこんな立派な道路を思ったが、ウィグル人のガイドの話では、このタクラマカン砂漠には大油田があり、天然ガスも豊富であり宝の砂漠であるということであった。これで疑問が氷解した。決してウィグル自治区のためを思って造ったわけではないのだ。過日の暴動の根っこもこの辺にあるのだろう。