自由帖

危機的な監査委員制度


 世間は衆議院議員選挙の話題で持ちきりですが・・・
 本日,全国市民オンブズマン岡山大会の2日目で地方自治体の監査委員制度について行ったアンケート調査結果の報告がありました。
 これによって,あらためて,地方自治体の監査制度が危機的状況にあることが明らかとされました。要するに,監査委員が名誉職化して,独立心や市民感覚が乏しいこと,監査委員事務局の体制も脆弱で専門的能力や独立性を有していないこと,住民監査請求をしても監査委員が勧告を出すことはほとんどなく,住民訴訟への通過手続と化していること,など,惨憺たる状態なのです。
 宮城県監査委員も仙台市監査委員も同じです。宮城県では過去10年間に37件の住民監査請求があり,監査委員が勧告を出したことは皆無ですが,監査請求結果とその後の住民訴訟の結果が異なったのは4件もあります。仙台市では過去10年間に37件の住民監査請求があり,監査委員が勧告を出したのはわずか2件で,監査請求結果とその後の住民訴訟の結果が異なったのは1件です。
 このまま機能不全を放置するならば,監査委員制度は市民からますます見放されてしまいます。議会選出の監査委員を廃止したり(地方自治法の改正が必要),行政職員OB出身の監査委員を排除したりすることが必要で,専門的能力を備えた事務局職員の養成など事務局体制の強化も必要です。
                                      そごう