自由帖

九塞溝・黄龍6日間(7)

本家麻婆豆腐を食す

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前日は、夜の7時に九塞溝空港を出発して成都に戻る予定だったが、悪天候のため結局飛び立たず(というより飛び立つはずの飛行機が来ず)夜中に九塞溝の村に戻ることになってしまった。

翌朝、成都に戻り当日の帰国便までの間市内見学となった。 成都も2300年の歴史を持つ古都(蜀の都)で、そのため 数多くの史跡が残っている。 その内「武候詞」と「杜甫草堂 」を見学した。

武候詞は「三国志」で名高い蜀の英雄・諸葛孔明と劉備玄徳を祀っているところで、武候とは名軍師、諸葛孔明のことである。
そこは鬱蒼とした木々の中にあり、各建物も豪壮である。
見物客もまばらでその深閑とした雰囲気の中で、まだ読みかけで終わっている「三国志」に思いを馳せた。

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「杜甫草堂」は唐代の詩聖、杜甫を記念するために建てられた草堂である。
ここは杜甫が仮小屋を建てて質素に暮らしていた所だそうだ。
生涯貧しかったという。「国破れて山河あり 城春にして草木深し」は知っている人が多いと思う。

昼食は、四川でも老舗の四川料理店に行った。
四川料理といえば麻婆豆腐が有名である。正確には陳麻婆豆腐という。
陳というあばた顔のお婆さんが作った豆腐料理という意味だそうである。
日本でもすっかりお馴染みの料理で私も良く作るが、素材が安く作り方も簡単でぴりぴりと辛く何度食べても飽きないのがいい。
さながら日本の国民食ともいうべきカレー料理に近い。

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その辛みの中心の豆板醤は今ではどこでも売っているが、もう一つの辛みの四川山椒はまだ使ったことがない。
これは、しびれるような辛さが特徴である。
私は横浜出身で、実家に帰る時は必ず中華街に行き好きな四川料理店にいくが、その本場の町の本物の店で食べた麻婆豆腐の味はやはり格別であった。

その夜は上海で泊まり、ここでは上海料理の名物、小籠包を食べたが、かむと口の中に流れ入るアツアツのスープの味はこれまた格別であった。
花より団子、見るのもいいが食べるのもいい。これだから、旅行は止められない。