自由帖

九塞溝・黄龍6日間(6)

いよいよ黄龍

20090527a.jpg

目的地へはロープウェイで行った。
標高3500メートル余りの駅で降りて、名勝の「五彩池」を目指す。
徒歩約1時間。森の中の木道を歩っていくのだが、歩っているうちに再び高山病の兆候が出てきた。
そこで、ひどくならないように出来るだけゆっくり歩くようにした。 所々に眺望が開けた所があって、そこから遠望する真っ白な連山の眺めは絶景かなであった。
20090527b.jpg

約1時間後に五彩池に着いた。
池はスカイブルーに輝いていて、思わず感嘆の声を上げてしまった。
池の手前には「黄龍寺」という古い寺があったが、その寺と池とは見事なコントラストを成していて、おそらくこれは極楽浄土を模して建立されたのではないかとさえ思われた。

20090527c.jpg

黄龍も渓流に沿って連なる大小の湖沼が観光の目玉であるが、九塞溝とは違い傾斜も急で各湖沼が棚田状に連なっているのが特徴である。
しかも、地質が黄色っぽい石灰岩から出来ているため湖沼の色が独特であり、差し込む光の強弱により青色っぽくなったり黄緑色っぽくなったりと変化する。
高山病を押しても来る価値があるというものである。

五彩池からは渓谷を下りながら連なる池を見物していくのだが、一向に頭痛のほうが治らない。
何となく足下もふらついてもいる。
いよいよ携帯の酸素ボンベを試してみることにした。

筒状のビニール製のボンベの栓を抜き口に当ててみた。
しかし、酸素の出がいかにも弱い。数分もしない内に無くなってしまった。
しかも、効能は全くなし。
おそらく、そんな物を買う人はほとんどおらず、とうに消費期限切れになっていたのではないだろうか。

おそらく今は乾季なのか、各湖沼の水が少なかったり涸れていたりしていたところがあったのは残念であった。
全部に水が溢れていたら、それはそれは感動ものであったと思う。
黄龍から九塞溝空港へ戻る途中、所々に見えるチベットの民家が気になって仕方なく、ガイドに頼んだら、ガイドが交渉に行ってくれて見せてもらうことが出来た。
そこは、日本でいう長屋門もある立派な農家であった。
母屋の周りにはタルチョが翻っていた。

20090527d.jpg

おばあちゃんからお孫さんまで一家全部で迎え入れてくれて、快く写真も撮らせてくれた。
チベット騒動で世界が湧いていた最中だったが、この親切のお陰で私はすっかりチベット擁護派になってしまった。