自由帖

九塞溝・黄龍6日間(4)

息を呑むような景観 九塞溝

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早起きをしてホテルの周囲を散歩した。
ホテル前の道路沿にはいかにもチベット風の土産物店が並んでいた。
その背後の山の斜面にはタルチョが林立している。
また、ホテルのほど近くには仏塔のようなものが建っていて、何の願を掛けてかその周りを何度も何度も回っているおばあちゃんが目に入った。
これで、ようやくいま自分がチベット地域に入っていることを実感し旅心が深まっていった。

いよいよ九塞溝見学である。
ちなみに九塞溝であるが、この景勝地には九つの古いチベット族の部落があることからその名が付いたとのことである。
その景勝地区には8時半頃に着いたが、すでに中国人観光客で賑わっていた。
ここは国民にも人気の観光地であり、また、都会では金持ちも増えてきたため、夏の盛りには一日平均25000人が訪れごった返すそうである。
奥入瀬渓流のような閑かな風景を期待していたが、その点では期待外れであった。
しかも、そのような大人数を捌くためには、遊歩道だけでは不可能で、そのため景観地区の全長5.6㎞の渓流沿いには、シャトルバスが頻繁に運行されていた。
特に名勝の湖沼の所がバス停になっていて、そこで降りては再び乗ることを繰り返しながら見学することになっている。
だから、ゆっくりと静かに景観を楽しみながらと言うことにはなかなかならない。

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しかし、意識的にそのような人やバスを視界から外せば、数キロメートルにわたる渓流に沿って連なる大小の湖沼はそれぞれみんな澄んでいて美しく、世界遺産の貫禄は十分に供えていることが分かる。
その色も、エメラルドグリーン、マリンブルーなどそれぞれ湖沼毎に色合いが異なっていて、またその水面にはその周りの樹林の影が綺麗に映し出されていて、それはそれは息を呑むような美しさである。
また、所々には滝もあり、景観に変化を与えてくれている。
当日は、このような景観をバスを乗り降りしながらも十分に堪能し、出発地点に戻った時は午後の5時半を回っていた。

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その夜は、ホテル近くの観光客用の劇場で、チベット民族の踊りと歌を鑑賞した。
意外と本格的で、民族の誇りも感じ取れたが、折からの騒乱問題もあり複雑な気分でもあった。