自由帖

パキスタン旅行(4)

-マリ-ビ-ル万歳-

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パキスタン行きには躊躇があった。
その最大の理由は、パキスタンはイスラム教を国教とする禁酒国であったからである。

私は40数年来、病気入院とイラン旅行をしたとき以外酒を飲まなかった日はないといった超愛飲家(アル中寸前)であるからである。
しかし、インダス文明とガンダーラ遺跡に対する興味が勝り、遂に意を決して決行と相成ったわけである。
だから、同国にもマリービールという国産ビールがあると聞いた時には、一寸力が抜けた感じであったが、すぐにほほえみに変わった。

説明では、パキスタンにもキリスト教やヒンズー教などのマイノリテイ-が居り、その人達用に造っているということであった。
その人達は申請をすれば、大人の人数割で一家に一月何本と買うことが出来るという。
また、高級ホテルでは、外国人に限りパスポートを示せば買える、但し部屋で飲まなければならないということであった。
しかし、我々は高級ホテルには泊まらなかったのでその機会はなかった。


だが、どこの国にも表があれば裏がある。

現地ガイドの努力で、ラクダで古城を巡った後の砂漠のテント内での夕食時と、1月1日午前0時の「ハッピーニューイヤー」の時に飲むことが出来た。
そこで、どのような努力で手に入れることが出来たのかと聞いたら、「買う権利があっても飲まない人や飲めない人がいる。そこがポイントだ」ということであった。

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そう言われれば、それ以上の説明は不用。
私も法律家のはしくれ、それ以上説明されては私も困る。 ただただ感謝しながら有り難く飲んだ。

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特に、砂漠での夜は、満天の星の下キャンプファイヤーも用意されていて、それによる高揚した気分とビールの酔いの余韻をかって、「この最高のシチュエーションを逃す手はない」思い、誰に求められるということもなく、「月の砂漠」を歌ってしまった。

「マリービール万歳!」だ。