自由帖

パキスタン旅行(2)

-車も人も阿吽の呼吸-

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さて、旅の話に移ろう。まずは道路と車の話から。印象的なことを列挙すると以下の通りである。
片側2車線以上の道路にもセンターラインがないのがほとんど。
大都市の中心部以外には信号がない。
ほとんどが日本車の古車か古古車。中古車は新車並みといったところ。

それらの車がそのような道路を猛スピードで追い越しごっこをしている。我々のバスも例外ではなく、先導のパトカーからがして、そこのけそこのけとばかりにサイレンを流しながら先行車を追い抜き、我がバスもそれに従っていく。

これが道幅の狭い道路だとスリル満点である。対向車の接近具合を見ながら、しかも先行車の譲り具合を考慮しながら阿吽の呼吸で抜いていくのである。
始めの頃はその度に肝を冷やしていたが、半日もすると慣れていた。感心するのは、そんな状態でありながら、11間の旅行中ひどい事故は見なかったことである。


以上は普通四輪自動車以上車の話であるが、ハイウェイを含めどこの道路でも、これに加えて三輪自動のリキシャ、バイク、トラクター、自転車、馬車,牛車、ラクダ車、ロバ車、人力車などが混在していて、町中での混雑時には、それらが流れを成して動いているのである。もちろんそれに大勢の通行人が加わる。
何しろパキスタンは人口1億600万人の国。どこに行っても人が多い。それらの人がそのような道路を、特に問題はないっていったような顔つきで横断していくのである。この阿吽の呼吸も感動ものである。交通ルールに慣れた日本人には到底まねの出来ない技である。

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ロバがあんなに活躍しているのにも驚いた。小さな体で可愛い顔をして重そうな荷物を一生懸命に引いている。特に田舎ではまだロバが中心的な運搬手段といった感じであった。
ある村で、動物の市場が開かれていたが、その中心はロバであった。少しでも高く売るためか、持ち主にバリカンできれいに刈られていた。