自由帖

クラさんの「農」のある暮らし その9

子どもの頃、柿は秋の味覚の代表格の果物でした。どこの家にも渋柿か甘柿の樹があって、柿もぎ(柿の実を枝から取ること)は、秋の風物詩の一つでした。私にもその思い出があります。最近はほかの果物が豊富になったからでしょうか、柿の実は取られずに残ったまま、冬の寒風にさらされている光景をよく目にします。晴れた冬の日の朝、葉を落とした枝についたままの柿の実が、青空によく映えていました(写真①)

田舎(湯沢)の柿の樹も、渋柿は多くの実をつけたまま冬を越すことが多いのですが、比較的大粒な甘柿の実はせっせと取って干し柿を作るようにしています。手で一個一個皮をむく作業はこれはこれで大変なのですが、家族の協力もあって何とかやり続けています。写真②は11月中旬頃の乾燥させている最中の絵です。だんだん水分が抜けて、表面に白い粉が吹くようになってくると甘みがぐんと増してきます。

ところが、丁度この頃になると、この時を待っていたとばかりにスズメの一群がこれをめがけて飛んできて、チュンチュンとついばみ始めるのです。ほかの実には目もくれずに狙い打ちです。飛びぬけて美味しいからなのでしょうか?

動植物との共生を旨とする私も、全てを鳥のえさに捧げるほど慈悲深くはありません。もうちょっと干しておきたいとは思いつつも、外から室内に引き揚げる決断をせざるを得ません(写真③)

今年もあと残すところ1週間。来年はどんな「農」との出会いがあるのでしょうか。楽しみです。

                

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