政務調査費

2015年5月アーカイブ

長年、宮城県議会、仙台市議会の政務調査費の文書を見てきたが、タクシーや代行車をこれほど多く使用した例に遭遇したことはない。利用した人の名は、自由民主党県民会議所属のX議員。現在4期目ベテランである。

内訳は、タクシーが84回、207,950円、代行車が33回、83,500円。利用形態は、ホテルやレストランでの会合の往復にタクシーを利用するか、自家用車で出向いて、飲食後に代行車を利用する形が多い。「夜間開催のため」利用したんだってよ。

X議員の資料.pdf

利用金額の大きさに驚かされるのは、7月28日に、自宅から各町内会を回って自宅に戻ってきたときの、12,250円。タクシーを使ったのは、「限られた時間で効率よく廻るため」だってさ。自家用車だと効率が悪くなるの?

ま、個々のケースはともかくとして、そもそもタクシーと運転代行車はどんな時に使えるんだったかな。「手引き」にはこう書かれている。

「タクシー料金への政務調査費の充当は、調査研究活動に当たって、他に利用できる公共交通機関がないか、運行本数が少ない場合、緊急の場合等、タクシーを利用する合理的な理由がある場合に充当できる」

議員は、運行回数がきわめて多く、かつ夜遅くまで動いている、きわめて便利な公共交通機関の、最寄り駅から徒歩10分の所に住んでいて、しかも私の見たところ何れのケースも「緊急の場合」には当たらない。タクシーや代行車を日常の足代わり使った、非常に悪質な「手引き」破りで、117回全てが会派の審査をパスできる代物ではない。

自由民主党県民会議の経理責任者、幹事長は一体どんな審査をしてOKを出したのか。めくら判を押しただけと言うしかない。

この実態を見るにつけても、監視の手を緩めた自らの責任を感じざるを得ない。嗚呼!


庫山 恆輔