政務調査費

2008年10月アーカイブ

県議の簡便計算は実費の7倍から12倍!!

宮城県議会議員が県内に自家用車で政務調査を行った場合,走行距離50㎞までは7000円,100㎞までは11500円,150㎞までは16000円,200㎞までは20500円,200㎞超は22000円を税金からもらえます(この計算方法を「簡便計算」と呼んでいます)。自家用車で動き回ればこれだけ多額な金額を税金からもらえるのですが,いったい何に使っているのでしょうか。

自家用車で移動してかかる実費は,ガソリン代,有料道路代,駐車場代くらいです。そこで,オンブズマンはこの実費との比較をしてみました。詳細は,この準備書面 準081021(確定版).doc と別紙1から6 別紙1から6.pdfをご覧いただきたいのですが,ガソリン代,有料道路代,駐車場代の実費ベースの7倍から12倍以上も水増ししてもらっていることがわかりました。ガソリン代,有料道路代,駐車場代の実費ベースで計算している会派もあるのですから,できるはずですし,そうすべきです。

こんな税金の無駄遣いを議員さん自身がお手盛りでやっているのですから,困ったものです。

オンブズマンは「こんな水増し制度は許せない!」と思って政務調査費に関する裁判をやっているのです。

                                     そごう

引退議員がH15年4月の政務調査の実態を証言

10月21日,仙台高裁で平成15年4月議員を引退した県議の証人尋問が実施されました。

引退議員さん方は,引退直前でもせっせと政務調査をしていたと主張していましたが,さて,その実態は・・・・?

遊佐議員(現:監査委員)は,平成15年4月に大河原土木事務所に政務調査に行き,一般競争入札の問題点を役人から聴取したと証言しましたが,具体的な聴取内容を全く述べることができませんでした。それはそうでしょう。宮城県では平成13年度に一般競争入札が始まったのですが,その問題点が本格的に議論されるに至ったのは,平成16年ころからです。平成15年4月に問題意識をもって調査するというのはあり得ません。よっぽどの「先見の明」があったからだと言いたいなら,もっと具体的な証言ができてしかるべきですが・・・。

萱場議員は引退直前の平成15年4月1日から3泊4日で福岡(福岡県庁,商工会議所,福岡空港事務所など)に視察旅行に出かけ,12万円余りを税金からもらっています。そんな年度初めによく視察に応じてくれたものだと疑問が沸きますが,なんと「事前予約無し」で視察したというのです。しかも,その視察目的は,仙台空港アクセス鉄道の途中の路線上の土地利用を考えるためだそうで,都市部から空港まで地下鉄でアクセスできる福岡を選んだそうです。いくらなんでもそれはないでしょう。仙台空港アクセス鉄道は仙台と仙台空港の間に6つも駅があり,新駅周辺のまちづくりが確かに課題でした。しかし,福岡の場合,博多駅から東比恵駅を経てその次がすぐに福岡空港駅です。これでは途中の路線上の土地利用を参考にすることなどできません。

また,萱場議員は,福岡での4日間の具体的行動をほとんど証言できませんでした。裁判長から「引退前の最後の視察ですから,もう少し記憶していても良さそうですが・・・」とたしなめられる場面もありました。オンブズマンが「あなたは本当に福岡に行ったのですか?」と質問したくらいです。

ぜひ,今後の裁判の動向にもご注目下さい。

<いずれも仙台高裁101号法廷>

  10月27日(月)午前10時 安藤俊威議員尋問

            午後1時15分 岩渕義教議員尋問

            午後3時 小野寺初正議員尋問

  10月28日(火)午後1時30分 菊地文博議員尋問

            午後3時  坂下康子議員尋問

                                      そごう

県議会・政務調査費第5次訴訟(高裁3民)

統一地方選挙があった平成15年4月の宮城県議会の政務調査費返還を求める事件(住民訴訟)。
平成19年6月19日自由民主党・県民会議など6会派に対し,地裁は,お手盛りの定額支給が実費原則を大きく踏み外しているとの理由から,約665万円の返還を命じた。
しかし,その一方で議員個人の政務調査費の使用については議員の裁量を理由にオンブズマンの請求を退ける判決を下した。
双方控訴し,10月21日,10月27日,10月28日の3期日に7人の議員の尋問を集中的に行い,12月8日に結審の予定である。

市議会政務調査費第4次訴訟差戻審(高裁1民)

統一地方選挙があった平成15年4月の仙台市議会の政務調査費返還を求める事件(住民訴訟)。
住民訴訟の条件を満たしているかどうかをめぐって高裁まで行き,高裁のお墨付きを得て地裁に戻され,平成20年1月21日民主フォーラムなど3会派に対し,約477万円の返還を命ずる判決があった。
しかし,支出を裏付ける資料を議員に戻したり,資料を保持していると言いつつ提出しなかった会派の言い分を認め,オンブズマンの請求の一部を退けたので,オンブズマンも会派側も双方控訴。
高裁は資料提出を拒んだ2つの会派に提出を勧告したが,2つの会派はこれを拒否。
9月12日に結審し,判決は11月11日午後1時10分。