政務調査費

2014年10月アーカイブ

【宮城県議会】平成24年度政務調査費公開資料を閲覧して

 以下の内容は,3名の議員について,それぞれの平成24年度の政務調査費関係資料を閲覧した感想や,適法性がやや疑わしい支出,その必要性・相当性について説明を要すると思われる支出を挙げたものです。
 
 なお,以下の3名が,政務調査費の使用が特に悪質だという趣旨ではまったくありません。私が見た限りでは,3名の方々は,宮城県議の中では,平均的な使い方をしていらっしゃると思います。

●自由民主党・県民会議某議員
 ・松島と仙台に2つの事務所があり,頻繁に仙台―松島を行き来する費用を多額計上,利府行きの支出も多数
 ・調査先が頻繁に「相手方宅」とだけ記載されており,調査研究の実質が疑わしい
 ・「観光振興」を目的とする調査研究旅行を何度も行う
 ・飲食店,ホテルでの県政報告会の会場代を100%計上
 ・寺社関係団体総会会費 100%計上
 ・隊友会 年会費 100%計上
 ・代行代は必ず100%計上(結構頻繁 飲み会の帰りと疑われる)
 ・神道政治連盟 年会費 100%計上
 ・調査研究費としてスポーツクラブ会費,新年会費を2/3計上

●改革みやぎ某議員
 ・毎日のように気仙沼~南三陸~登米を回り,1日100㎞超の移動も珍しくない。移動距離に応じた費用を計上
 ・仙台や東京への出張も多く(仙台は平均月2,3回くらいか),特に仙台は泊まりで行くケースもあるのでかなりの額が計上される。
 ・県政報告で80万円超の支出
 ・ノルウェー調査研究旅行(水産関係視察)で34万円計上も必要性は不明
 ・旅情報誌の代金を資料購入費として計上

●改革みやぎ某議員
 ・毎月東京方面へ出張して必ず1泊以上し,5万円以上の調査旅費を請求
 ・必要性不明の様々な団体年会費を計上
 ・某人のファンクラブ会費を2/3計上
 ・韓国へ3泊4日の調査旅行旅費を計上 調査内容は「日本と韓国の歴史認識」とあるが県政との関連性が不明
 ・種々の会合の新年会費を2/3計上も必要性に疑問


報告者 甫守 一樹

【宮城県議会】平成24年度政務調査費・調査の実態が不明

自由民主党・県民会議のある議員の支出について報告致します。


昨日の記事で、政務調査実績報告書の「調査内容」欄が空欄であった議員について報告致しました。


本記事の議員は、政務調査実績報告書の「調査内容」欄が、全て「意見交換」となっています。

 →政務調査実績報告書(抜粋).pdf

これでは、政務調査として認められる支出かどうか等を十分審査することができないはずです。

「調査内容」欄が空欄であることと実質的な差異があるとは思われません。


特に、この議員は、調査の相手方に「地域住民」「青年会議所」等も多く含まれており、調査内容について具体的な報告がなされなければ、後援会活動や私的活動等との区別が明確になりません。

 参考)政務調査費を充当するのに適さない例.pdf


しっかりとした審査・チェックがなされるためにも、調査内容の報告は具体的になされるべきです。


報告者 宮腰英洋

 オンブズマンでは宮城県議会政務調査費(H24年度)使用実態を調査し,その問題点を分析中です。追って,監査請求をする予定ですが,一足先にホームページ上で公開し,市民の皆様に情報提供いたします。
 全国で政務調査費(現在は「政務活動費」)の不適切使用が次々と明らかになっていますが,宮城県議会の使用も褒められたものではありません。順次,問題の大きいと思われるものを指摘しますが,本記事では自由民主党・県民会議についてご紹介します。

1 仙台近郊の高級旅館での一泊研修
 H25年2月8日から9日まで,仙台近郊の高級旅館での一泊研修をしています。請求書によれば,1泊2食の大人が27名(単価約1万6000円),日帰りが1名(単価8550円),会議料4万2000円,合計48万4500円が支出されています。どうしてわざわざ高級旅館で一泊研修をして,その金額を税金から支出するのでしょうか。


2 年度末に多額の備品を購入
 平成25年3月(年度末)に,会派として多額の備品を購入し,パソコンやipadを構成員に配付しています。駆け込み購入し,全額を税金から支出することはいかがなものでしょうか。

 3月28日 Apple ipad 16台        92万2800円
 3月19日 書庫,テーブル,椅子等      58万4850円
 3月14日 ノートPC等18セット            264万4431円
 3月19日 PC,プリンタ(控室用)各1台   77万8050円
 3月19日 コピー機1台               79万8000円

報告者 十河 弘

自由民主党・県民会議のある議員です。

 

宮城県議会では,会派における政務調査費交付にあたり,会派の経理担当者及び幹事長が審査基準に基づき審査を行った上で交付をすることになっています【手引きの34頁】。

会派における政務調査費交付事務の流れ.pdf

そして,政務活動をした場合には,政務調査実績報告書を提出することになっており,これをもとに不適正な支出がないか審査されることになっていました。

参考)

政務調査費を充当するのに適さない例.pdf

しかし,私が調査したこの議員は,政務調査実績報告書に記載すべき「調査内容」の部分が年間通してすべて白紙でした。

4月最初の何枚かの報告書をアップしておきます。

調査内容の記載のない報告書.pdf

「調査内容」の報告がなければ,そもそも支給してダメな場合なのか審査することはできないはずです。にもかかわらず,同党の幹事長,経理責任者はあっさりハンコを押して支給をしています。

「後払」にしても,ちゃんと審査をしなければ不適正な支出は防げません。そもそも形式不備があるのに修正を求めることなく支給をしてしまうのでは,審査の意味がありません。

 

この議員について,もう一つ問題を発見しました。

10月22日~25日の間,この議員は政務調査費を使って函館と東京に行っています。

しかし,政務調査報告書には,東京での調査報告しかありません(例によって調査内容の記載は無し)

調査報告のない函館の旅費まで,会派は支給をしてしまっています。

ちゃんとチェックをしていたのか,はなはだ疑問です。

移動は函館~東京なのに東京だけの政務調査報告.pdf

  

                             報告者 畠 山 裕 太

【宮城県議会】平成24年度政務調査費に関する調査について

仙台市民オンブズマンです。

 仙台市民オンブズマンでは,これまでも政務調査費に関して調査し場合によっては訴訟によりその支出の違法性を争ってきました。今回,平成24年度の政務調査費(平成24年度は,改正地方自治法施行前ですので「政務活動費」ではなく「政務調査費」です。)。について,謄写してきた膨大な量の資料を現在整理分析しています(なお,当オンブズマンのマンパワーの限界もあり,謄写費用もかかるため,すべてを謄写はできていません(全会派と,4期以上の議員(30名)の記録のみ。謄写費用約11万円。))。

 現在も調査整理中ですが,調べていくと使途等について「これでよいのか」と疑問に思うものがでてきました。「とりあえずHP上で公開して市民の皆様にみてもらってはどうか」ということになり,試みにやってみることになりました。

 今回,予想以上にマスコミに注目され,少し戸惑いもありますが,政務活動費(この年度は「政務調査費」です。)の支出について,市民の方々に見て頂き,われわれの税金がこのような使い方をされることがよいのか,考えていただく機会になればいいと思います。

 なお,仙台市民オンブズマンは,宮城県議会の政務調査費について何度も訴訟をし,平成21年3月,政務調査費に関して制度改革をおこなうことなどを条件に和解しました。これにより,いわゆる「後払」方式という画期的な方法がとられることになりました。(詳しくは,会報の30号(2009年6月15日発行)をご覧下さい。

http://sendai-ombuds.net/images/ombudsman30-1.pdf

 そして,宮城県では,平成21年4月に政務調査費に関する手引きをつくり,会派の経理責任者及び幹事長がチェックをした上で政務調査費を議員に交付することになっています(上記手引きの34ページ この方法は,現在もほぼ同じです。)。

宮城県 政務調査費の手引き平成21年4月作成.pdf

 

上記のチェックが機能しているのか,検証できればいいと思います。

 

                                    事務局長 畠 山 裕 太

 

 

なお,現在,宮城県議会では政務活動費の年間支給額,支出額についてだけはHP上で公開しています。

(参考) http://www.pref.miyagi.jp/site/kengikai/seimukatudouhi.html

しかし,この情報では,政務活動費全体の支出された金額はわかるものの,それが適正なものかどうかまではまったくと言っていいほど分かりません。領収書までHP上で公開するなど,市民が容易に議員の政務活動費支出を監視できる仕組みが切に望まれます。