政務調査費

【監査結果】監査委員は450万円しか返還を勧告せず


 本日,仙台市監査委員は,「一部支出に疑義がある」として,市議会の各会派に対し合計約450万円の返還請求をするよう,仙台市長に勧告しました。一部,オンブズマンの主張を認めたのです。

        監査結果はこちら→H20度仙台市議政務調査費監査結果100526.pdf

 しかし,監査委員は議員及び会派の裁量を広範に認めてしまいました。そのために,監査手法も杜撰であり,厳格な監査を怠ったと指摘せざるを得ません。

 まず,返還が勧告された支出はどれも違法不当であることが明白な案件であり,当然の結果です。
 問題は,グレーな部分でどれほど本気で監査できたかですが,残念ながら,議員や会派に資料の提出や弁解をさせ,その弁解がもっともらしければそれ以上の追及はしないという監査態度で,極めて不十分です。「具体的説明があり,その説明に合理性が認められる」「説明があり,これに反する事実は確認できない」「自主的に按分したことが推認できる」などと,議員や会派の説明を無批判に受け入れる態度が顕著です。
 個別外部監査の手法を採用しなかったことから,このような結果は予想されたとはいえ,残念です。

 監査委員は末尾に改革を促す「意見」を述べていますが,低限の改善要請を述べたに過ぎません。もっとも,市議会は至急改善を図るべきです。

 オンブズマンとしては監査委員が見逃した違法な支出について精査し,住民訴訟を提起する予定です。また,約370万円もの違法支出を指摘された庄子晋議員については,さらなる責任追及ができないかどうか検討することにします。
                                          そごう