政務調査費

仙台市議会政務調査費監査請求


 3月30日,平成20年度仙台市議会議員の政務調査費について監査請求を行いました。
 この間,オンブズマンでは平成20年度の各会派提出の領収書等を分析し,検討を進めてきましたが,その使われ方はひどいものでした。

 まず,領収書は1万円以下の支出なら提出しなくてよい仕組みとなっていることから,全体の約4分の1の額(約6100万円)は何に使ったか全く不明です。領収書があるものでも,いつ,どこで,どんな調査に使ったのか説明がないため,分かりません。透明性の低さは際立っています。
 次に,領収書の偽造が強く疑われるものまでありました。費目や発行者が異なるにもかかわらず,同一の領収書書式で同一の筆跡なのです。
 さらに,自家用車の維持費(オイル代,修理代)に使った議員や,自家用車のタイヤ代に使った議員もいます。極めつけは,自宅に設置する薄型テレビを購入した議員もいます。
 郵送費用や切手代は一見正当に思われるかも知れませんが,後援会活動や政党活動を兼ねた文書を送付したのであれば按分が必要です。コピー機やファックス,パソコン,デジカメの購入でも同様に按分が必要です。この按分をしていない議員が大変多いのです。

 今回,オンブズマンは個別外部監査によって監査をすべきだと指摘しています。全国各地でこの個別外部監査の方法が採用され,政務調査費については返還の勧告が相次いでいます。他方で,これまで,仙台市監査委員は議会の問題についてきちんとした勧告を出したことがありません。また,今回の監査請求については,仙台市監査委員4名とも法律上又は事実上の利害関係があり,中立性・第三者性を保って監査を実施することが困難です。

 おそらく,個別外部監査による方法が採用されれば,それなりにしっかりした監査が実現でき,一定の成果が上がると思われますが,従前どおりの監査だと,違法不当な部分について議員に自主返還させ,その他は違法不当でないと見逃すことが繰り返されるでしょう。

 私たちは相応の準備をしてこの監査請求に至りましたし,これが放置されるならば住民訴訟を起こして総力を上げて取り組むつもりです。傷は浅いうちに適切な治療をすれば長引きません。監査委員には早期にメスを入れるという賢明な判断をしてもらいたいと思っています。
                                        そごう