北海道・東北ネットワークグループ

【報告】北海道・東北市民オンブズマンネットワークin宇都宮

 12月1日、2日に宇都宮で北海道・東北市民オンブズマンネットワークの第41回例会が行われました。


1、1日目は、「地方自治法改正で政調費はどうかわるのか?」と題してシンポジウムが開催されました。
 シンポジウムでは、まず、上脇博之(かみわきひろし)神戸学院大学法科大学院教授による講演が行われました。この中で、これまで違法とされた政務調査費の支出を合法化するために改正されたのではないかという疑念もあるものの、「議会等の活性化」のためという本質は変わらないはずであり、政務活動費を充てることができる経費の範囲は条例で定めることとされているので、今後は、各議会が定める条例で経費の範囲を拡大させないこと、条例制定後も経費の範囲を拡大させない運用をさせることが重要であるという指摘がありました。
 講演後のパネルディスカッションでは、地方議会議員が議員報酬、政務調査費、費用弁償、行政委員手当などを合計すると、年間に一体いくら受け取っているのかを調査した結果が発表され、宮城県議会では少なくとも1800万円、仙台市議会でも少なくとも1800万円弱を受け取っていることが報告されました。これらの金額のうち、いずれも420万円が政務調査費ですが、今後、政務活動費となり、形式的には支出範囲が拡大する余地があるとしても、具体的な支出内容を追及することが重要であることや、訴訟等の前段階として議会側への申し入れをし回答を得るというやりとりを繰り返し行っていくことが重要であるという指摘、さらには宮城県で採用されている後払方式が使途拡大の防止に有効ではないかという指摘がなされました。
 最後に参加者全員で、政務活動費条例制定に関するアピールを採択しました。

 アピール文はこちら  北東ネットアピール121201.pd

f2、2日目は、例会が開催され、各地のオンブズ組織での取組状況について報告いただきました。また、政務活動費に関して、北東ネットに参加しているオンブズ組織が、12月20日に一斉に議長に対して申し入れを行うことになりました。

3、次回北東ネット例会は、仙台市民オンブズマン設立20周年企画に合わせて、来年6月22日、23日に仙台で行われることになりました。地元開催でもありますので、多数御参加いただきますようお願い致します。

                                               吉田

【報告】北海道・東北市民オンブズマンネットワークin札幌

1 6月9日、10日に、札幌で、北海道・東北市民オンブズマンネットワーク(北東ネットと略します。)のシンポジウム・例会が開催されました。
 北東ネットは、仙台のほか、札幌、道南(函館)、弘前、青森、岩手、一関、山形、福島、原町、ふたば、いわき、白石、新潟、花輪、栃木の各オンブズマンで組織するネットワークです。北東ネットでは、年に2回、各地持ち回りでシンポジウムと例会を開き、お互いの活動内容等について情報交換、意見交換を行い、その後の各地での活動に反映させています。


2 6月9日のシンポジウムは、「北の大地から議員の政務調査費を問う!」と題して行われました。札幌市民オンブズマンから基調報告がなされ、政務調査費に関する北海道特有の問題点(例えば、自民党会派から政党支部に「調査委託費」として1年間に4445万円が支出されているものの、「調査委託費」の具体的な使途が収支報告書や領収書から全く分からない。)を中心に報告がありました。その後、岡山の光成卓明弁護士に基調講演をいただき、岡山では、毎年、全ての支出を査定し、問題がある支出は全て住民訴訟を起こすことにしている、そのために20ページにわたる支出チェックマニュアルを作成し、膨大な量の領収書等を一般会員に査定してもらっているといった話しがありました。また、各地のオンブズ組織の課題として、北東ネットの連携は別として、近隣のオンブズ組織との連携が不十分ではないかという問題提起もありました。その後、パネルディスカッションが行われ、道南市民オンブズマンの大河内憲司氏から、函館市の事業仕分人として、政務調査費を廃止すると判定した体験、札幌幌大学法学部の浅野一弘教授からは、議会事務局も他の部局と同じ人事異動先の一つに過ぎず、そのため他の部局の問題点を議員に提起することは難しいことから、議会事務局の改革も必要といった話しがありました。


3 6月10日の例会では、各地のオンブズ組織から、取り組み状況や成果を報告いただきました。また、8月25日、26日に弘前で全国大会が行われますが、北東ネットが原発・復興関係の分科会を担当するとともに、復興予算に関する特別報告を行う予定であることから、これまでの準備状況が報告されるとともに、今後の準備について議論がなされました。


4 次回の例会は、2012年12月1日、2日に、宇都宮で開催予定です。

 

                              同ネットワーク事務局長 吉田大輔

【報告】北東ネット 市民フォーラム in 盛岡

平成23年12月10日午後1時から、「震災・エネルギー問題と地方自治」と題して、北海道・市民オンブズマン・ネットワークの市民フォーラムが岩手県盛岡市で開催されました。当日は50名近くの方にご参加いただき、大盛況のまま終了いたしました。簡単ではありますが、内容をご報告いたします。

 

1 講演

まず、岩手大学農学部の伊藤幸男先生から、「木質バイオマスエネルギーによる地域活性化の可能性と課題」と題して、再生可能エネルギーとして、生物資源の利用方法と今後の市場的な可能性、生物資源を現実に社会に活かすうえでの政策提言をお話しいただきました。  木質バイオマスエネルギーの利用には、熱利用を中心として進めていく必要があること、公正で納得がいく市場を作りつつ地域分散型のエネルギーシステムを構築していくことが大切であるとのことでした。

 

 

バイオマス.jpg

 次に、岩手県葛巻町農林環境エネルギー課の日向信二さんから「エネルギー自給の街づくり」と題して、葛巻町で実践されているバイオマスの利活用政策についてお話いただきました。森林が86%を占める葛巻町では、風力発電導入プロジェクト、太陽光発電、木質バイオマス等、自然と人間の共生を目指した様々なプロジェクトを実施してきました。自然のクリーンエネルギーを一次産業の付加価値とすることによって、周辺地域からの関心を呼び、地域の活性化にも寄与しています。葛巻町は、人口7000人余りの小さな町ですが、大都市でも実践していないようなエネルギー政策を行っていることは、大きな驚きでした。

 

  葛巻町.jpg 

2 ディスカッション

(1)各地の報告

  ディスカッション.jpg 原発関連施設立地地域から、原発問題に対して主体的に活動いただいている方々からお話しいただきました。

 北海道の渡辺達生先生から、「泊原発の廃炉をめざす会」の活動について報告がありました。泊原発の廃炉を目指し、泊原発付近のプレートの存在に基づく大地震の危険や、原発以外のエネルギーでも十分に電力需要を賄える点を、現在提訴している原発差し止めの裁判で主張しているとのことでした。

 青森県弘前大学の大坪正一先生から、原発問題に対する青森県での活動について報告がありました。大坪先生は、「だまっちゃいられん津軽の会」のメンバーとして活動されております。平成23年5月に実施したアンケートでは、原発事故により原子力開発の考えが変わったという人が全体の8割以上いたにもかかわらず、回答者のうち半数以上の方が核燃料事業に対していまだに期待を持っているとのことでした。原発事故にもかかわらず、まだまだ青森県では原発の危険性に対する認識が十分ではないようです。「だまっちゃいられん津軽の会」では、今後も原発依存の問題点を指摘する運動を続けていく気持ちを強くしたとのことです。

 宮城県からは、仙台市民オンブズマンの十河弘弁護士から東日本大震災に対する女川原発の影響と先日立ち上がった脱原発ひまわりネットの第1回学習会についてご報告いただきました。学習会では、只野靖先生をお呼びし、「脱原発裁判」の今後の進め方をお話しいただいたとのことです。

 新潟県の齋藤裕先生から、柏崎刈屋原発に対する原発差止めの取り組み等について報告いただきました。柏崎刈屋原発の差止め訴訟に向けて、今後は周辺地域との連携を深める中で、原発による経済的損失の大きさを明らかに行くことも視野に入れているそうです。

(2)討論

 各地の報告をもとに、原子力エネルギー政策を継続する意味と、原発依存経済からの脱却、再生可能エネルギーの可能性について議論されました。

 報告者以外からも積極的に発言がなされる等、白熱した議論が行われ、今後のエネルギー政策を考える上で、大いに参考になるものでした。

 

3 感想

 今回の市民フォーラムでは、改めて原発廃止へ国民全体での運動の必要性を強くするとともに、改めて自然エネルギーへの移行の必要性と重要性を実感しました。特に葛巻町のように地域一体となった再生可能エネルギーの取り組みをより多くの人に知っていただき、全国のモデルとなって各地に広まる必要があると感じました。

 

以上

【北東ネット】仙台例会開催~次回は盛岡!

  7月2日、3日に、震災復興資金の使途をテーマにして、北東ネットの例会を開催しました。

 市民フォーラムでは、神戸松蔭女子学院大学の池田清教授に、阪神淡路大震災における復興資金の使途についての反省を踏まえ、あるべき震災復興資金の使途について御講演いただきました。

 開発・成長を目的とした「創造的復興」(道路、港湾、空港、高層ビル建築など、単に元の状態に戻すのではなく、21世紀の成熟社会に相応しい復興を成し遂げる)ではなく、被災者の住宅・生活と営業、雇用を目的とした「人間復興」であるべきとの指摘がなされました。

 今回の例会を通じて、今後の震災復興資金の使途 を検証するための基本的な視点が確認できたと思っています。また、約80名の方々に御参加いただきました。次回は12月10日、11日に盛岡市で開催予定です。テーマは、引き続き、震災復興資金の使途です。上記の基本的視点に基づいて、震災復興資金の使途について検証していく予定です。是非、ご参加下さい。

 

 

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北海道東北ネットでは、来る7月2日、下記のとおり市民フォーラムを開催します。是非ご参加下さい!

 

あるべき震災復興資金の使途

  ~被災者の声は届いているか~

 

   北海道・東北市民オンブズマンネットワーク

   市民フォーラム 7・2@仙台

 

本当の意味で被災者のためになる震災復興資金の使途とは、どのようなものでしょうか。宮城県の震災復興計画には、野村総研が全面的に"支援"するとされています。宮城県や仙台市、岩手県の震災復興計画は、果たして本当に被災者のためになっていくのでしょうか。

阪神淡路大震災の震災復興資金の使途について検証してこられた池田清氏に御講演をいただきながら、阪神淡路大震災の震災復興資金の使途という過去の教訓を活かし、真に被災者のためになる震災復興資金の使途について考え、また、真に被災者のためになる震災復興計画にするためにどうすべきかについて考えていきたいと思います。

 

◆市民フォーラム◆・・・参加無料・事前予約不要

内容:①講演

    池田 神戸松蔭女子学院大学教授

      被災者支援の震災復興政策とは

      ~阪神・淡路大震災の教訓~

質疑応答等

 

日時:2011日(土)

午後130分~午後5 午後1時開場

 

場所:仙台弁護士会館4階大ホール

仙台市青葉区一番町2-9-18                                

                                 

主 催:北海道・東北市民オンブズマンネットワーク

問合先:北海道・東北市民オンブズマンネットワーク事務局

仙台中央法律事務所 弁護士吉田大輔 電話022-227-2291

仙台市民オンブズマンHP http://sendai-ombuds.net/network/

 

下記のとおり市民フォーラムを開催いたします。

最新の動向をしる絶好の機会です。是非ご参加下さい!

 

北海道・東北オンブズマンネットワーク

     市民フォーラム 6・5@仙台

 

 時給100万円超も!(宮城県労働委員会、仙台市選挙管理委員会等)

その業務実態は?行政委員の『甘い椅子』は住民に何をもたらすのか?

議員の経験を有し、住民の立場から行政委員の報酬問題に鋭く取り組み、大阪高裁平成22年4月27日勝訴判決を獲得された吉原稔弁護士(滋賀弁護士会)をお招きし、≪最新・ここだけ≫のお話をいただき、行政監視・公金支出のあり方を考えたいと思います。

 

◆市民フォーラム◆・・・・・・・・参加無料・事前予約不要

 日 時:2010(平成22)年6月5日(土)

         午後2時~午後4時30分頃

               ※ 開場 午後1時30分

場 所:仙台弁護士会館4階大ホール

仙台市青葉区一番町2-9-18

内 容:① 基調報告・非常勤行政委員報酬ランキング、

② 講演 吉原(よしはら) (みのる)弁護士

『非常勤行政委員月額報酬問題

~大阪高裁平成22年4月27日勝訴判決の意義、その背景とこれから』

       質疑応答等

                                

問合先:弁護士千葉晃平

    電話022-713-7791

 

新潟例会開催される~次回は仙台!

12月5日(土)・6日(日)、新潟市において、半年に一度のネットワーク例会(第35回)が開催されました。
『隠さないで!私たちのお金でなにやっているの?あるべき公文書管理を考える市民フォーラム』では、沖縄返還の密約取材にあたり現在情報公開訴訟を行っている西山太吉さん(元毎日新聞社政治部記者)から、ご自身の実体験に基づき、情報公開は民主主義の根幹であること、権力の情報操作・犯罪の実態、本当の民主主義の実現のためには「下からの監視能力」が必要であることなどをお話いただきました。
当事者たる西山さんのお話は迫力ある内容でした。(詳しくは一つ前の「そごう」さんの「感想」もご参照下さい。)
また、三宅弘さん(日弁連情報問題対策委員会委員長)から「公文書管理法」の内容・問題点をお話いただき、市民の側からの「公文書管理」のあり方を議論・検討しました。

次回は、2010年6月5日(土)6日(日)に仙台で開催予定です!是非、ご予定・ご参加下さい。

新潟例会市民フォーラムアピール.pdf  

                              ちば

20091205_0759.jpg

西山太吉さんの講演会(感想)

 12月5日,北海道東北市民オンブズマンの市民フォーラムで西山太吉さんのご講演を拝聴しました。ご承知のとおり,西山さんは,沖縄返還時の密約問題を追及されているジャーナリストです。
 私が感じたことは,「日本の民主主義はずっと歪められ続けてきた」ということです。沖縄密約問題をはじめ,国は情報を隠し,追及されてもとぼけて嘘をつき続けてきました。正しい情報が国民に与えられないまま,政権与党は選挙でその地位を守り続けてきました。そうだとすると,この地位は,民意が歪められた結果だと言えないでしょうか?
 また,西山さんからは,「政府の嘘を見逃し,追及を怠ったメディアや民衆の責任も大きい。下からの権力に対する追及が弱すぎる。沖縄の普天間基地問題を初め,これでは傍観者である」との厳しいご指摘もいただきました。西山さんからオンブズマンに対する叱咤激励だと感じる講演会でした。
                           そごう
西山太吉さん.JPG

弘前例会開催される~次回は新潟市!

 

6月6日(土)・7日(日)、緑鮮やかな弘前市において、北海道・東北・新潟・栃木から80名を超える参加を得て、半年に一度のネットワーク例会(第34回)が開催されました。
市民フォーラム『税金!こったらだ使い方でいいんだが!?~議会政務調査費・費用弁償、非常勤職員の月額報酬を考える~』では、ネットワーク各地の政務調査費への取組・成果等の報告はじめ近時の取組・成果の報告を受け、会場発言・質疑応答を行い、各問題点への切込方や今後の取組について、熱心かつ充実した議論・検討がなされ、また、非常勤特別職員に対しいわゆる『甘い椅子』を与える高額報酬の問題の改善等を求めるアピールが採択されました。
  市民フォーラムアピール090606.pdf

次回は、2009年12月5日(土)・6日(日)に新潟市で開催予定です!市民の方々とともにあるべき行政・議会の姿を考えていきたいと思いますので、皆さまも、是非、ご参加下さい。

                           ちば

弘前城で.jpg

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              上 弘前城にて記念撮影  下 フォーラム

12月6日(土)・7日(日)、雪舞う山形市において、北海道・東北・新潟・栃木から70名を超える参加を得て、半年に一度のオンブズマン北海道・東北ネットワークの例会が開催されました。

『こんなことで教員採用が!?ー大分からの生の声ー』と題する永井敬三さん(おおいた市民オンブズマン代表)の講演は、マスコミ報道では知ることの出来ない金品教育行政の根の深い問題、真の被害者の存在等々、まさに『生の声』をお話いただき、具体的な資料解説とともに、とても興味深い内容でした。

『政務調査費って!?ー宴会、デジカメ、週刊誌などなどー』では、各地のオンブズマンから政務調査費用の使途の実態などが報告され、『議員の常識』と『市民の常識』のかけ離れた実態が明らかにされるとともに、オンブズマンとしての今後の取組が検討されました。

次回は、2009年6月6日(土)・7日(日)に青森・弘前で開催予定です!

市民の方々とともにあるべき行政・議会の姿を考えていきたいと思いますので、是非、ご予定・ご参加下さい。詳しくは、おってこのブログでお知らせします。

では、幻想的な『銀世界』の山形に感謝し、雪解けの青森・弘前を楽しみにしつつ、失礼します。

  DSC05058(北・東ネット)08.12.6~7.JPG事務局長 千葉晃平