費用弁償

費用弁償返還請求訴訟 第4回

 平成21年2月20日、札幌高等裁判所において、札幌市議会の費用弁償(定額1万円)に関して、返還請求を認容するとの判決が下されました。同様の訴訟をおこなっている者にとって、非常に意義深い判決であり、この判決を勝ち取られた関係者のご尽力には敬服いたします。

 この札幌高裁判決は、「①費用性を有し、かつ、報酬性を有しない支給事由に基づき、②弁償される「定額」が合理的であるときに、裁量の範囲内である」と明快に許容範囲を述べた上で、

 「常にタクシー利用を前提として見積もりがされたとするならば、その見積もりには合理性がない。」「日額1万円は、議員の会議出席に要する費用の3倍程度に当たることは明らかである。」「他の政令指定都市における費用弁償と横並びであることだけは、合理性を基礎づけることはできない」と述べ、裁量の逸脱・濫用を認定し、全額の返還請求を認容しています。

 

 本日(3月23日)の期日までの間、宮城県議会において費用弁償についての条例が改正され、本件訴訟の提訴時と状況は多少かわってきたようです。

 しかしながら、その新たな支給基準に関しても、この札幌高裁判決に照らせば、決して妥当といえる内容でないことは明らかと思われます。

 

 次回裁判は、5月28日に予定されています。

 今後の裁判の動向に是非ご注目ください。