直轄事業負担金問題

直轄事業負担金問題の今後の動き

直轄負担金の返還を求めて訴訟が進行中ですが、全国知事会の要望や民主党政権の方針に基づき、国土交通省のワーキングチームは、本年1月15日、廃止に向けた行程表の案を公表しました。
それによると、
①平成22年度は維持管理に係る負担金を特定の事業を除き廃止する(各法律の改正法案を通常国会に提出)。平成23年度には全直轄事業について維持管理の負担金を廃止する。
②負担金の内容となる基本負担額の算定から人件費や事務費といった「業務取扱費」を除外する(法律に明記するのか否かは言及されていない。公共事業の補助金の算定においても事務費を除く)。
③平成25年度までに現行制度の廃止とその後の在り方について結論を得る。
④平成21年度分は、当初の予定額通知を見直したうえ詳細な負担金の内訳書を提示する(見直しで、職員の退職手当分の人件費や営繕宿舎費を予定額から削除する)。
ということになるようです。
訴訟の対象である仙台河川国道事務所の庁舎移転先の「用地購入費用」は、「業務取扱費の中の事務費に含まれる営繕宿舎費」です。
今回の見直しにより、平成21年度からは仙台河川国道事務所の移転建設費用は、宮城県や仙台市が支払う必要がなくなりますが、問題は今まで支払った分の処理です。
法律で負担させる費用の内容は定まっています。費用の内容を、勝手に国土交通省が決めることはできません。正しい法律の解釈によって内容が定まります。
私たちは、個別的な事業を行うための工事費や人件費・事務費は負担金の対象だが、事業を担当する組織(役所)の設置やその維持運営のための費用は、法律上の負担金の対象ではない旨主張してきました。
今回の国土交通省の対応は、私たちの主張と結論的には同じですが、訴訟の対象となった用地購入費用を返還しなければ、「法律に基づく行政」とは言えません。宮城県や仙台市がどうするのかという点も含めて、今後の訴訟の動きに注目したいと思います。

                                                                         まつざわ

仙台市の直轄事業負担金問題

 平成21年10月1日,直轄事業負担金問題について,仙台市に対する訴訟の第1回期日がおこなわれました。

 仙台市は答弁書を提出していましたが,まだ具体的な反論が記載されていないので,次回までに本件に関する具体的な主張をすることになりました。また,仙台市は国に訴訟告知(直轄事業負担金について訴訟になっていることを国に知らせる手続)をしています。次回までに国が参加するかどうか,また参加した場合に,直轄事業負担金についてどのような見解を出してくるかが注目されます。

次回期日は,平成21年11月16日(月)午後1時15分~の予定です。
                          畠山

【第一回裁判期日決まる】直轄事業負担金訴訟(対県知事)


 7月22日、直轄事業負担金の問題で宮城県知事と仙台市長を被告にした住民訴訟を提起していましたが,対県知事の事件について,第一回裁判期日が決まりました。被告の対応が注目されますので,どうぞ傍聴してください。
                                        そごう

  仙台地裁第二民事部 平成21年(行ウ)第17号
  第1回裁判期日 平成21年9月7日(月)午後1時10分

【提訴!】直轄事業負担金問題(宮城県+仙台市)

提訴にあたって

 7月22日、直轄事業負担金の問題で宮城県知事と仙台市長を被告にした住民訴訟を提起しました。
 平成20年度に国に対して支払った負担金の中に、仙台河川国道事務所の移転先用地の取得費用の負担分がありますが(宮城県が約1億5700万円、仙台市が約2600万円)、それを国から取り返す請求をせよという内容の訴訟です。

 国が国道や河川の建設や維持管理を行った場合、地元自治体に対して受益に応じ一定の割合の負担金を請求することが、道路法や河川法に規定されていますが、どのような経費について負担金の請求ができるのかは、法律に明確な定めがありません。
 あたりまえの解釈では、実際に建設工事や維持管理に直接的に必要な経費のみが負担の対象と考えられますが、河川国道事務所の敷地取得代金までが負担させられていたのです。
 これらの「直轄事業負担金」と呼ばれる負担金は、その明細が明らかにされないまま地方自治体に請求されて支払いが行われてきました。本年3月末から内容がだんだんと明らかになり、京都府知事が、「工事現場のプレハブ事務所なら負担金の対象となるが、国道事務所等のビルについてまで負担金を取るのはおかしい」と声をあげ、大阪府知事が「ぼったくりバー」みたいと表現するなど批判が強まり、全国知事会は、制度の改善がなければ今年度の負担金の支払いを拒むという申し合わせをしています。

 地方財政法12条は、国の機関の設置、維持及び運営に必要な経費は、法律で定めない限り地方公共団体に負担させてはならない旨規定しており、道路法や河川法に、「河川国道事務所の設置」などの固定経費(業務の多寡に関わらず必要な機関の設置・維持運営の経費)を負担させても良い旨の規定がない以上、用地取得費について負担金を徴収したのは、法律違反の行為であることが明らかです。
 今回の提訴は、全国でもはじめての訴訟であると思います。
 地方分権や法治主義を徹底するには、法律が書いていないことを利用して行われている「官僚支配=官治主義」で構築された「制度」(これは「法制度」ではない)を、きちんとした法律の解釈適用によって打ち破ることが必要と思います。
                                                                     松澤


直轄事業負担金問題(宮城県)

 国の直轄事業に地方自治体が負担金の支出を強いられている問題で,オンブズマンは本年4月30日に宮城県にも監査請求をしておりました。6月26日,その監査結果(棄却)がでました。

 仙台市の場合と同様に不当な結果ですので,住民訴訟を提起する方向で検討します。
 
<監査結果についてのコメント>
 
監査結果は、川国道事務所の用地取得費を管理に要する費用に含まれないとする法的根拠が見出せな かったとするが、このような用地取得費まで地方に負担させようとすることは国と地方の負担区分をきちんと線引きしようと立法れた地方財政法を逸脱した行為 である。きちんと線引きを行わないまま、地方方の負担を拡大させて、具体的に用地代の付回しにまで及んだことは、行政の濫用ともいえるもので違法である。
来月下旬にも住民訴訟を提起したい。
                           そごう

直轄事業負担金問題(仙台市)

 国の直轄事業に地方自治体が負担金の支出を強いられている問題で,オンブズマンは本年4月30日に監査請求をしておりました。昨日,その監査結果(棄却)がでました。

不当な監査結果ですので,今後住民訴訟の提起を検討します。

<直轄事業負担金監査請求結果に対するコメント>

  監査委員の「監査結果」と「意見」が食い違っている。「監査結果」は「違法不当ではない」と結論づけていて全く説得的でないが,「意見」では国に対して改 善を求めており,ある程度説得力がある。本気で国に改善を求めるのであれば,「監査結果」でも「違法不当である」と結論づけるべきであった。
 監 査委員は「間接経費としてどこまでを直轄事業負担金の対象経費とするかについて明確な規定はない」と指摘しているが,そうである以上,原則として間接経費 は支出できないはずである。ところが,監査委員は「間接経費の中に庁舎の維持管理費用を含めることについては特段これを排除する定めもないことから,道路 法第50条等の規定を地方財政法第12条第1項に定める「法律又は政令で定めるもの」と見なすことができる。」などと強引な解釈論を展開して国を擁護して しまっている。
 監査結果には承服しかねるので,住民訴訟を提起する方向で検討し,7月17日の総会では正式に決定したい。
                                          そごう