仙台市地下鉄

【震災後】地下鉄東西線の事業廃止を申し入れました

 ご報告が遅くなりましたが,5月18日,仙台市長に対して地下鉄東西線の事業廃止を申し入れました。
 詳細は申入書(→地下鉄東西線廃止の申し入れ書110518_.pdf)のとおりです。
今まで,仙台市は東西線の需要予測のやり直しをかたくなに拒んでいました。震災によって,東西線の乗客見込みはより厳しい状況に追い込まれてしまいました。市バスを荒井駅に結節させて仙台市東部の住人を地下鉄の乗客にしようという目論見ははずれそうです。
 少なくとも,震災後を見越して需要予測をやり直し,その内容を市民に公表し,それでも地下鉄東西線を建設するのかどうか,市民の意見を聞くべきでしょう。
 震災で多額の予算が必要になるにもかかわらず,地下鉄東西線というハコモノが本当に必要なのか,作ってしまって赤字を垂れ流すことを容認できるのか,慎重に見極めるべきでしょう。
                                           そごう

地下鉄東西線建設中止要請文を送付しました

10月9日に内閣総理大臣・国土交通大臣・内閣府特命担当大臣(行政刷新)に対して、地下鉄東西線の建設中止の要請文を送付したのに続き、10月17日付で下記大臣、副大臣、政務官に対して、議員会館の個人事務所宛てに、要請文を送付いたしました。
内閣府特命担当大臣(行政刷新) 仙谷 由人 
大臣政務官 泉健太  
国土交通大臣 前原 誠司 
国土交通副大臣 辻元 清美 馬淵 澄夫 
国土交通大臣政務官 長安 豊  三日月 大造  藤本 祐司  
財務大臣 藤井 裕久  
財務副大臣 野田 佳彦 峰崎 直樹  
財務大臣政務官 大串 博志 古本 伸一郎
総務大臣 原口一博  
総務副大臣 渡辺 周  内藤 正光 
総務大臣政務官 小川 淳也  階 猛  長谷川 憲正 
  要請文の要旨は以下の二点です。詳細は、要請文をご覧ください。
1 仙台市営・地下鉄東西線建設を直ちに中止する措置をとってください。
2 国は仙台市に対し、第4回パーソントリップ調査結果を前提に仙台市が事業許可申請した条件で需要予測を再計算するよう指示してください。
                                かわむら

要請文の詳細はこちら→要請書(内閣府宛)091017.doc

地下鉄南北線上告不受理決定

 

残念ながら、標記の事件は最高裁で上告が受理されることなく、3月26日オンブズマンの敗訴が確定しました。

この事件は、地方公営企業法17条の2及び17条の3の条文の文言をどう解釈するのかという
法令解釈が争点です。最高裁としてきちんとした法解釈を示すべきでした。


同法施行令8条の5は、

「性質上当該地方公営企業の経営に伴う収入をもって充てることが適当でない経費」
「性質上能率的な経営を行ってもなおその経営に伴う収入のみをもって充てることが客観的に困難であると認められる経費」
として、補助金を出せる経費を列挙しています。
地下鉄事業について補助金を出すことは、施行令では認められていないのです。

にもかかわらず、全国の地下鉄事業は、収入をもって経費をまかなうことが客観的に困難であるということで補助金を受けています。このような法令に違反する状態をそのまま許すことが法治国家として許されるのか否かが、本件の焦点でした。

しかし、最高裁は、法治国家の最後の守り手であるという職責を放棄して、「法治国家」を「放置国家」にしてしまったのです。
                                         松澤

仙台市地下鉄南北線補助金問題(論点)

補助金問題で高裁判決

平成20年10月31日仙台高裁で地下鉄南北線に対する一般会計からの補助金が地方公営企業法17条の3に違反しているか否かの判決がありました。裁判所は、違反するものではないと判断しました。「恒常的に」補助金を出すことが「特別の理由」があるとして許されるのであれば、法律が定めた地方公営企業の「独立採算性」は絵に描いた餅になってしまいます。判決はいろいろ長々と「理由」を述べますが、長々になるのは、論理をごまかしているからに他なりません。

南北線の赤字と補助金額

地下鉄東西線が建設中ですが、東西線は予測の半分しか乗車人員がいないので運賃収入が建設費の回収はおろか人件費・運行経費というランニングコストすら賄えないのではないかと危惧されています。本当にそうなったなら、東西線建設を強行した仙台市長や関係職員・市会議員の責任は重大で、きちんと責任を果たしてもらわなければならないのですが、

南北線も、乗車人員の過大予測(予測30万人に対して実情16万人)によって、赤字が平成19年度末で約1100億円に達しました。実はこのほかに740億円ほど赤字穴埋めのために補助金が注ぎ込まれているので、実際の赤字は1840億円となります。</u>裁判となっている平成17年、18年の補助金は合計25億円ほどでしたが、平成19年度は約20億円となりました。平成20年度は約25億円、平成21年度以降は30億円を超える補助金を出すことが予定されていて、今後も市民の税金が地下鉄事業のために使われていきます。

地方公営企業の独立採算原則と補助金

地方公営企業は、独立採算で企業運営をしなければなりません(独立採算が無理なら企業化せずに一般の都市施設として運営することになります)。但し、政令(地方公営企業法施行令)で定められた特定の経費については一般会計からの補助を受けることができます。政令で定められたもの以外は、地方公営企業法17条の3で定めている「災害の復旧その他特別の理由により必要がある場合」にのみ補助金を受けることができることになっています。

政令は、概略「性質上地方公営企業の収入で賄うのが適当でない経費」「性質上地方公営企業の収入でまかなうことが客観的に困難な経費」について、補助ができる経費を特定して定めています。

判決は、政令の定めは「通常考えられる経費」として一般会計が負担すべき経費を特定しているので、「臨時例外的経費・個別具体的経費」については「特別の理由」によるものとして補助ができるという判断をしました。

補助される補助金のほとんどは、地下鉄建設のために発行した債券(借入金)の償還のための経費です。地下鉄の建設に多額の費用がかかることは最初からわかっていることで、「臨時例外的経費・個別具体的経費」とは言えません。建設費のための借入金の返済に補助が必要ならば、最初から政令は補助を認めているはずです。しかし、そうなってはいません。

鉄道事業法5条により経営上健全であることが鉄道事業の許可に際しては必要です。鉄道事業許可を受けるときは、独立採算で運営ができなければ「経営上健全」と言えません。従って、地下鉄は補助金なしで運営ができる建前になっているので、地下鉄建設費の償還費用を、政令は補助対象に記載できるはずもないのです。

判決の評価と今後

判決は、地下鉄事業が補助金なしに成り立たないという現状を追認して、法律の解釈を捻じ曲げたとしか言いようがありません。憲法9条のような高度の政治問題でもない地下鉄事業の問題で、法律をきちんと適用せず言い逃れのような解釈を行うことでは、法律やそれを司どる司法の尊厳は、ともども画弊に帰してしまうでしょう。納得できかねる判決で、上告し最高裁の判断を求めます。なお、赤字必至の地下鉄事業の推進こそが本当の問題です。一時的に不足した収入を穴埋めするためだけであるなら一般会計から一時借入すればよいことで、経営状態が良くなれば返せば済むのです。返す必要がない「補助金」を出すと言うことは、地下鉄事業が黒字にならないという何よりの証拠です。東西線ができたらば大幅赤字は必至で、仙台市の財政負担は増大します。政治責任は結果責任といいますが、誰が責任をとるのでしょうか。今後も機会を捉えて、東西線建設を中止させなければならないと思います。

地下鉄南北線訴訟(概要)

仙台市の地下鉄南北線に関する訴訟をご存知でしょうか。
東西線がランニングコストさえ出てこない赤字路線になることは、オンブズマンのみならず心ある行政関係者には明らかな未来像なのですが、現在走行している地下鉄南北線(泉中央-富沢)も、設備投資のための借金の返済ができるだけの収入が得られないため、毎年市税から補助金を出している現状なのです。法律は、地方自治体が企業経営をするというのであれば、住民の税金で企業経営の失敗を穴埋めすることがないよう、地方公営企業について市税からの補助金の支出を原則的に禁じています。ところが、南北線ではこれまで毎年のように補助金を出しており、その金額は約700億円に達しているのです。南北線の訴訟は、このように法律違反を繰り返ている行政実務に対し、法律どおりの行政を行うことを求め、平成17年度と18年度に支出した約25億円の市税の返還を求めたのです。

 仙台地裁と仙台高裁(平成20年10月31日)は,いずれもこれを違法ではないと判断し,オンブズマンの請求を却けました。行政が法律に違反する行為をすることを裁判所がきちんと阻止できておらず、裁判所の真価が問われる大問題です。

高裁判決はこちらです。 高裁判決081031.pdf

 オンブズマンはこれを不服として上告しております。