仙台市民オンブズマン|市民による行政の監視役
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  • 県議会政務調査費裁判終結

     

    3月23日の和解成立をうけ,昨日3月24日,オンブズマンは仙台地裁に係属中の裁判(2件)も取り下げました。これで,宮城県議会との政務調査費に関する裁判がすべて終結したことになります。

    これらの裁判を通して,①宮城県議会の「簡便計算方式」の不当性を明らかにすること,②このような不当な簡便計算方式を他の地方自治体に採用させないこと,③不当な制度に安住した議員には相応の痛みを感じてもらうこと,ができたと思います。

    仙台市民オンブズマンに対して,ご協力,激励,ご意見をいただいたことに,この場を借りて感謝いたします。不断のチェックとねばり強い問題提起がない限り不正を抑制できないということを実感した裁判でした。この教訓を肝に銘じて今後も取り組みたいと思います。

                                        そごう

    【和解成立】県議会政務調査費訴訟終結

     

    本日,仙台市民オンブズマンは県知事,県議会各会派と県議会政務調査費に関する

    和解を成立させ,これに伴い係属中の訴訟4件をすべて取り下げることを決めました。

    高裁に係属中の事件は本日取り下げ,地裁に係属中の事件も追って取り下げる予定

    です。

    和解内容の概要は次のとおりです。

    1 県議会各会派は,本年4月に施行される制度改革に従った政務調査費の運用

     を行う。

    2 県議会各会派は,03年4月分と05年度分の2訴訟で仙台地裁が県に返還請

     求を命じた計約9500万円の半額を県に返還する。

    3 オンブズマンは07,08年度の政調費に関する監査請求や訴訟提起を行わな

     い。

    4 オンブズマンは訴訟4件を速やかに取り下げる。

    5 県議会各会派は訴訟に要した弁護士費用等を支払う。

    和解に伴って発表したコメントは次のとおりです。


    政務調査費改革の意義.pdf

    従前の「簡便計算方式」は不当な水増し請求(実費の数倍)であり,一刻も早く

    これをやめさせる必要がありました。そこで,オンブズマンは争点をこの点に絞っ

    て早期判決を求めていたところ,平成20年12月1日の仙台地裁第2民事部

    これを正面から受け止めてオンブズマンの請求を認めてくれました。このような

    司法の力もあって,今回,宮城県議会の改革が実現したのです。

    今回実現した改革は全国に例のない画期的なものと評価できますので(詳細は

    上記コメント:政務調査費改革の意義,をご覧ください),オンブズマンとしては

    過去に支出された政務調査費については訴訟を終結させることとしました。

    他方,どんな立派な制度を構築しても,抜け道を探して不当な運用をすれば目的

    は達成できません。今回の改革が真に県民のためになされたものかどうかは,こ

    れからの運用によって評価されるべきです。残念ながら,これまでの経験から,議

    会や警察には自浄能力があるとは評価できません。そこで,オンブズマンは,県

    議会がこの改革を忠実に運用していくかどうか,厳しくチェックして

    いきたいと考えています。

                                           そごう

    費用弁償返還請求訴訟 第4回

     平成21年2月20日、札幌高等裁判所において、札幌市議会の費用弁償(定額1万円)に関して、返還請求を認容するとの判決が下されました。同様の訴訟をおこなっている者にとって、非常に意義深い判決であり、この判決を勝ち取られた関係者のご尽力には敬服いたします。

     この札幌高裁判決は、「①費用性を有し、かつ、報酬性を有しない支給事由に基づき、②弁償される「定額」が合理的であるときに、裁量の範囲内である」と明快に許容範囲を述べた上で、

     「常にタクシー利用を前提として見積もりがされたとするならば、その見積もりには合理性がない。」「日額1万円は、議員の会議出席に要する費用の3倍程度に当たることは明らかである。」「他の政令指定都市における費用弁償と横並びであることだけは、合理性を基礎づけることはできない」と述べ、裁量の逸脱・濫用を認定し、全額の返還請求を認容しています。

     

     本日(3月23日)の期日までの間、宮城県議会において費用弁償についての条例が改正され、本件訴訟の提訴時と状況は多少かわってきたようです。

     しかしながら、その新たな支給基準に関しても、この札幌高裁判決に照らせば、決して妥当といえる内容でないことは明らかと思われます。

     

     次回裁判は、5月28日に予定されています。

     今後の裁判の動向に是非ご注目ください。

     

     

    仙台市民オンブズマン

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