仙台市民オンブズマン|市民による行政の監視役
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  • 仙台市議会11月11日控訴審判決

    仙台市議会の共産党を除く7会派が,統一地方選のあった03年4月の政務調査費を選挙活動などに流用した疑いがあるとして,仙台市民オンブズマンが梅原克彦市長を相手取り,対象会派に計約1200万円の返還請求を求めた控訴審判決で,仙台高裁は梅原克彦市長に対し,当時の六会派に計約四百七十万円を返還させるよう命じました。

    控訴審の最大の争点は,領収証等の廃棄・返還・不提出の違法性を等しく浮き彫りにすることであった。合理性のない廃棄のみを違法とした一審判決のいいかげんな基準の見直しが目的でした。

    その意味で「領収証がないだけで違法な支出と推定することは,政務調査活動に対する干渉,阻害効果を生じかねない」とした控訴審判決は完全な肩すかしでした

    按分を認めなかった一審判決を見直して按分を認め,「半月は選挙活動に専念した事情や支出の性質・金額,総支出額に占める割合などを総合考慮し,一見して不自然な支出額は使途基準外を推認させ,適切な反証がなければ違法支出とみなされる」と判示するなど評価すべき点が全くないわけではありませんが、政務調査費の透明性の基礎はあくまでもいざという時の領収証の提出にあります。廃棄・返還・不提出について毅然とした態度をとらなかった控訴審判決は司法の役割の放棄です。

    但し,間口の狭い上告審でこれを覆すのは困難であるので,仙台市の上告断念を受けて,オンブズマンも上告を断念しました。

    【飲酒視察の真相は?】県海外視察訴訟・中島源陽議員尋問実施!

     

    宮城県議会議員は、4年間の任期のうち、1人120万円までの旅費を使って海外に「視察旅行」に行くことができます。
    しかし,オンブズマンが「海外出張報告書」を入手して分析してみるとその実態は観光的要素が多く、費用対効果も疑問のあるものでした。そこで、オンブズマンは、監査請求を経て、平成19年6月6日、3つの視察旅行に絞り、仙台地裁に住民訴訟を提起し、平成20年11月17日、旅行に参加した中島源陽議員の証人尋問がおこなわれました。
    中島議員は、平成15年8月26日~9月9日の15日間、3名の議員とともに、ルーマニア、ギリシャ、イタリア、スイス4カ国を訪問する旅行に行っています。
    フィレンツェでは、ウフィッツイ美術館、ミケランジェロ広場に行き、ミラノでは、「最後の晩餐」をみて、ドゥオモに行き、ジュネーブでは国連を見学しています。イタリアやスイスに行ったら必ず行く観光名所です。しかも、自分たちが頼んだガイドさんと一緒に行っています。
    目的地の選定も、テーマにそって複数の候補地があったのではないとのことでした。行きたい国が先にあって、視察テーマはあとづけでは?と思えます。
    さらに、この旅行の報告書に、菊地健次郎氏が「昼食会で強い酒が入ったせいか、午後はちょっと視察できない風体のものがあり」と記載しています。
    しかし、中島議員は、「私は、乾杯のいっぱいだけで、昼食後は4人で視察し、説明を聞いた」と証言し、菊地議員の報告書について「記載者の主観である。私の記憶では、ちょっと視察できない風体というのはいなかった」としています。他方で、中島議員は、午後の視察を考えて乾杯だけにとどめたということで、「報告書記載のような状況だと、確かに視察に対しては十分な状況ではなったことになる」と証言しています。
    報告書記載のとおりの状況であったら公金を使った海外視察であるにもかかわらず県政に役立つ調査ができていないことになりますし、中島議員の証言のとおり報告書記載の状況がなかったとしたら、菊地議員の報告書が事実に反することになってしまいます。
    尋問によって、観光旅行、無駄遣いの海外視察の実態が明らかになってきました。残り2つの旅行についても、尋問が行われ、さらに海外視察の実態が明らかになります。

    次回以降の日程は次のとおりです。ぜひ、傍聴してください。

     

     次回 平成20年11月25日(火)午前10時から正午

        平成18年10月15日~19日のフランス旅行について、石川光次郎

        議員の尋問が行われます。

     

     次々回 平成21年1月20日(火)午前10時から正午

        平成16年5月5日~15日のナイヤガラ・バンフ旅行について、渥美

        巌議員の尋問が行われます。

     

    県議の簡便計算は実費の7倍から12倍!!

    宮城県議会議員が県内に自家用車で政務調査を行った場合,走行距離50㎞までは7000円,100㎞までは11500円,150㎞までは16000円,200㎞までは20500円,200㎞超は22000円を税金からもらえます(この計算方法を「簡便計算」と呼んでいます)。自家用車で動き回ればこれだけ多額な金額を税金からもらえるのですが,いったい何に使っているのでしょうか。

    自家用車で移動してかかる実費は,ガソリン代,有料道路代,駐車場代くらいです。そこで,オンブズマンはこの実費との比較をしてみました。詳細は,この準備書面
    準081021(確定版).doc
    と別紙1から6
    別紙1から6.pdfをご覧いただきたいのですが,ガソリン代,有料道路代,駐車場代の実費ベースの7倍から12倍以上も水増ししてもらっていることがわかりました。ガソリン代,有料道路代,駐車場代の実費ベースで計算している会派もあるのですから,できるはずですし,そうすべきです。

    こんな税金の無駄遣いを議員さん自身がお手盛りでやっているのですから,困ったものです。

    オンブズマンは「こんな水増し制度は許せない!」と思って政務調査費に関する裁判をやっているのです。

                                         そごう

    引退議員がH15年4月の政務調査の実態を証言

    10月21日,仙台高裁で平成15年4月議員を引退した県議の証人尋問が実施されました。

    引退議員さん方は,引退直前でもせっせと政務調査をしていたと主張していましたが,さて,その実態は・・・・?

    遊佐議員(現:監査委員)は,平成15年4月に大河原土木事務所に政務調査に行き,一般競争入札の問題点を役人から聴取したと証言しましたが,具体的な聴取内容を全く述べることができませんでした。それはそうでしょう。宮城県では平成13年度に一般競争入札が始まったのですが,その問題点が本格的に議論されるに至ったのは,平成16年ころからです。平成15年4月に問題意識をもって調査するというのはあり得ません。よっぽどの「先見の明」があったからだと言いたいなら,もっと具体的な証言ができてしかるべきですが・・・。

    萱場議員は引退直前の平成15年4月1日から3泊4日で福岡(福岡県庁,商工会議所,福岡空港事務所など)に視察旅行に出かけ,12万円余りを税金からもらっています。そんな年度初めによく視察に応じてくれたものだと疑問が沸きますが,なんと「事前予約無し」で視察したというのです。しかも,その視察目的は,仙台空港アクセス鉄道の途中の路線上の土地利用を考えるためだそうで,都市部から空港まで地下鉄でアクセスできる福岡を選んだそうです。いくらなんでもそれはないでしょう。仙台空港アクセス鉄道は仙台と仙台空港の間に6つも駅があり,新駅周辺のまちづくりが確かに課題でした。しかし,福岡の場合,博多駅から東比恵駅を経てその次がすぐに福岡空港駅です。これでは途中の路線上の土地利用を参考にすることなどできません。

    また,萱場議員は,福岡での4日間の具体的行動をほとんど証言できませんでした。裁判長から「引退前の最後の視察ですから,もう少し記憶していても良さそうですが・・・」とたしなめられる場面もありました。オンブズマンが「あなたは本当に福岡に行ったのですか?」と質問したくらいです。

    ぜひ,今後の裁判の動向にもご注目下さい。

    <いずれも仙台高裁101号法廷>

      10月27日(月)午前10時 安藤俊威議員尋問

                午後1時15分 岩渕義教議員尋問

                午後3時 小野寺初正議員尋問

      10月28日(火)午後1時30分 菊地文博議員尋問

                午後3時  坂下康子議員尋問

                                          そごう

    県議会・政務調査費第5次訴訟(高裁3民)

    統一地方選挙があった平成15年4月の宮城県議会の政務調査費返還を求める事件(住民訴訟)。
    平成19年6月19日自由民主党・県民会議など6会派に対し,地裁は,お手盛りの定額支給が実費原則を大きく踏み外しているとの理由から,約665万円の返還を命じた。
    しかし,その一方で議員個人の政務調査費の使用については議員の裁量を理由にオンブズマンの請求を退ける判決を下した。
    双方控訴し,10月21日,10月27日,10月28日の3期日に7人の議員の尋問を集中的に行い,12月8日に結審の予定である。

    市議会政務調査費第4次訴訟差戻審(高裁1民)

    統一地方選挙があった平成15年4月の仙台市議会の政務調査費返還を求める事件(住民訴訟)。
    住民訴訟の条件を満たしているかどうかをめぐって高裁まで行き,高裁のお墨付きを得て地裁に戻され,平成20年1月21日民主フォーラムなど3会派に対し,約477万円の返還を命ずる判決があった。
    しかし,支出を裏付ける資料を議員に戻したり,資料を保持していると言いつつ提出しなかった会派の言い分を認め,オンブズマンの請求の一部を退けたので,オンブズマンも会派側も双方控訴。
    高裁は資料提出を拒んだ2つの会派に提出を勧告したが,2つの会派はこれを拒否。
    9月12日に結審し,判決は11月11日午後1時10分。

    仙台市議会議員海外視察違法訴訟 第1審

    <知っていますか?議員の海外視察の実態!>
     
     仙台市議会議員は4年間の任期のうちで,1人100万円までの旅費を使って,海外に「視察旅行」に行くことができます。しかし,その旅行の実体はおよそ公金を投入して行うべきものではありません。オンブズマンは,情報公開によって「海外出張報告書」を入手してその中身を分析して,観光的要素の多さや費用対効果を無視した高額な支払いに疑問を持ちました。
     オンブズマンは,分析結果に基づき,平成19年3月8日,住民監査請求をしましたが,監査委員は「違法ではない」としてこれを棄却しました。4名監査委員のうち3名まで議員出身ですから,その結果は予想していましたが・・・・。
     
     そこで,オンブズマンは,平成19年6月6日,①イスタンブール・カイロ・アテネの海外視察(佐々木両道氏ほか4名参加)と,②ジェノバ・ローマの海外視察(池田友信氏ほか3名の参加)に絞って,住民訴訟を仙台地裁に提起しました。これらの視察日程は下記の行程表の「事実証明書9,10」のとおりです。
          ↓
     
     市民の皆様は,このような日程をご覧になってどう感じられるでしょうか。真に必要な視察ならやむを得ませんが,1人約100万円を使う価値があるでしょうか。また,仙台市政といったい何の関係があるのでしょうか。また,何らかの役に立ったのでしょうか。仙台市や旅行に行った議員は「議会には大きな裁量がある」「目的どおり視察をしてきた」などと弁解していますが,証人尋問をしてみると,驚くべき実態が明らかになりました。
     詳しくは,次の最終準備書面をご覧下さい。
     
     たとえば,イタリアサッカー協会訪問の目的は,①仙台カップユースサッカーへのジュニアチームの出場依頼と,②イタリアプロ4選手の足型取りの依頼だと市議は弁解しました。しかし,視察市議らにこれらを本気で実現する意思や気概が全くなかったこと,そのために目的を実現するような視察内容でなかったこと,事前の準備もしていないことが判明したのです。
        ①ジュニアチームの出場のためには,どうして参加してくれなくなったかという原因を調べて,相手が参加しやすくなるような条件や戦略を考えて依頼に赴くことが必要です。しかし,市議は原因すら把握しておらず,何の戦略も持たずに訪問したことを自白しました。結局,現在もジュニアチームの出場は実現していません。市議は,それを仙台市当局の責任だと責任転嫁しましたが,視察者4名はその後市当局に何ら有力な働きかけや協力もしていないのです。
        ②イタリアプロ4選手の足型取りについては,見当違いの訪問依頼であることが明らかです。そもそも4選手は各クラブチームに所属しており,イタリアサッカー協会がクラブチームの意思とは別に足型を取り付ける権限があるのか,大いに疑問です。そんなことは依頼に行く前からわかっていることで,この点を事前に確認しておくべきです。ところが,この点の確認すらしていないと市議は自白しました。また,足型取りを実現するためには,少なくとも各選手が所属するクラブチームに直接依頼することが必要ですが,それすら未だにやっていないのです。さらに,これも同様に仙台市当局の仕事だと市議は責任転嫁しましたが,自らは,足型取りが実現しない原因を確認すらしていないのです。
        結局,イタリアサッカー協会に行ってお願いをするだけでは上記の①②は実現が難しく,そんなことは参加市議らも初めからわかっていたのです。だから,何の事前調査もせず,何の準備もせず,何の戦略もなく,通り一遍の依頼をしただけで,依頼後はその結果に関心もなく,仙台市当局への追及もしなかったのです。これではイタリア訪問の口実にサッカー協会訪問を使っただけと評価されても仕方がないでしょう。
     
     こんな海外視察なら,即刻やめるべきですね。
     
     この裁判の判決言渡は  12月18日(木)午後1時10分 仙台地裁第2民事部
     です。ぜひご注目下さい。
     

    仙台市民オンブズマン

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